17歳の記憶
- Naomi Iida
- 2018年2月8日
- 読了時間: 1分
高校生の時。姉妹校である学校の友人と出会いました。
横浜という地方都市に、どっぷり漬かっていたいた私は、他の地方都市について、それほどの知識欲もなく、ただ、その土地の歴史に興味を持っただけの状態で、そこを訪れたのでした。
冬のしん、とした空気と、真っ青な空。冷たい石が平たく並ぶ広い公園。
その天と地の間に、その友人を見つけたとき、私は息を飲みました。
強い意志をもった真直ぐな視線と、私と同い年だというのに、沢山の知を蓄えたと確信できる深い瞳。
その土地で育ったから身に付いたであろう使命感を纏った言葉。
歴史のある土地を訪ねる、ということは、そこにある物を見に行くということだけでなく、その土地の人と出会うということだったのだ、と 衝撃を受けました。
それから幾歳、彼女は常に私の心の中にありました。
女性として、苦しいときに、何故か彼女の視線が思い出されるのです。
前のみを見つめる視線。戦うでもなく、ただ、前を見る眼。
横にばかり気を取らてしまう日々で、何度も私を励ましてくれたのは、前を視る力でした。
若い時代の、こうした記憶は人生の宝でした。
それを与えてくれた環境に今も感謝の気持ちを忘れることはありません。

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